いびき・睡眠時無呼吸症候群と歯科の関連

北川原歯科医院副院長 北川原健

 

歯科と「いびき」や「睡眠時無呼吸」がどういう関係があるの・・と思われる方もあるでしょうが、「いびき」も「睡眠時無呼吸症候群」も、舌の位置や上下の顎(あご)の位置関係等に深く関わっているので我々歯科医師もその知識を持っていなければならないのです。

「睡眠」と「歯科」の関係について研究している睡眠歯科学会というものもあり、当院の院長はこの学会に属しております。 

 お医者さんからの依頼があれば、「睡眠時無呼吸症候群」の治療のための装置をお作りすることもあります。

 

「睡眠時無呼吸」という言葉は、このところテレビの健康番組等でも取り上げられていますのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、簡単に言うと「寝ているときに頻繁に息が止まる・・」という症状があることをいいます。隣で寝ていてガアガアといびきをかいている方のいびきが突然止まる、「え、息、してないよ、死んじゃった?」と思った経験がおありの方もいらっしゃるでしょう。

 

 10秒以上呼吸が止まる状態を無呼吸といいますが、1時間に5回以上無呼吸が起きる場合で、日常生活に何らかの支障がある場合が睡眠時無呼吸と定義されています。一晩に30回以上起こる方は重傷とされます。日本では、いびきをかく方は2000万人以上、その約10分の1の方が睡眠時無呼吸状態にあるといわれています。

 

ではなぜこの「睡眠時無呼吸」が問題になるのでしょうか?

 

「睡眠時無呼吸」があると、

 

・ いくら寝っても寝足りない

・ 昼間、むしょうに眠くなる

・ 集中力が低下する         ・・

 というような症状が起きます。大人だけでなく、こどもにもおきる、といわれています。

 私の患者さんで、お医者さんに強度の睡眠時無呼吸症候群と診断された方がいらっしゃいますが、「車を運転していて、自宅がもうすぐというところで睡魔に襲われ眠ってしまってお隣の庭に突っ込んだ・・・」という方がいらっしゃいます。「運転手が居眠りをしての自動車事故や、新幹線が急停止した・・」というような報道がされるようになって「睡眠時無呼吸」は最近注目されるようになってきたのです。 

 

 また、昼間の眠気だけでなく、全身状態にも影響し、高血圧を引き起こしたり、狭心症、心不全や心筋梗塞等の原因になる可能性もある・・といわれています。

 

ではなぜ「いびき」をかくのでしょうか。下の図をご覧ください。

 

 

舌の位置、上下のあごの関係・・等がいびきに関係しているのです。

 

ですから、睡眠時無呼吸が比較的軽い場合には、舌の沈下を防ぎ、顎(あご)の位置関係を改善する装置が有効な場合があるのです。お医者さんで「睡眠時無呼吸でこの装置が必要・・」と判断された場合は、先生からの依頼(お医者さんの診断書が必要。)でこのような装置を歯科医院で作ることがあります。私たちが拝見して、「この方は睡眠時無呼吸ではないか・・」と思われる場合は逆にお医者さんでの診断をおすすめすることもあります。 

 

私どもがお作りする装置は下の図のようなものです。

 

その方のお口の型を取り、顎の位置を決めてお作りいたします。マウスピースの一種です。基本的には夜寝るときに使っていただくのですが、下あごが少し前に出るように作ります。鼻が悪くなければ、苦しいことはありません。この装置によりに舌の位置も正しい位置に誘導できます。お医者さんで再検査をしていただくと、睡眠時無呼吸が改善されることが多いのです。

 この装置は、お医者さんからの依頼の場合は保険で作れ、一部負担金は¥10000ぐらい(2割の場合)です。

 

 この装置を使ったのではなく、低かったかみ合わせを入れ歯で改善して差し上げただけで、お医者さんが「何をしたの?」というくらい睡眠時無呼吸がすっかりよくなってしまった患者さんもいらっしゃいます。きっと、顎(あご)の位置が改善され、寝ているときも舌がいつも正しい位置にあるようになったのでよくなったのでしょう

 

 昼も夜も、舌をどの位置に置いているのか、寝るときに癖はないか(睡眠態癖)、かみ合わせの高さが低くないか・・等はあまり意識なさったことがないでしょうが、実はとても大切なことで、これらに異常がある場合は、子どもならば歯並びが悪くなる、顎がゆがむ・・等の原因になりますし、大人の方の場合も様々な症状がこれに関係しているのでは・・と思われることが多いのです。 

 

 我々歯科医師は、むし歯や歯周病(歯槽膿漏)の処置ばかりでなく、このような全身状態との関わりのある癖や顎のずれ等に注目し、お医者さんとの連携のもとに患者さんの健康管理にお役に立ちたいと思っているのです。

 

 

北川原先生には東口病院だより平成288月号に、「歯科に関する“大切なこと”」を書いてくださいました。

 

今回は「睡眠」と「歯科」の関係について、わかりやすく教えていただきました。

 

口の中の病気が歯だけではなく全身に影響してくるとは本当に怖いです。定期的な歯の検診と毎日のケアをしっかりとしていきたいと思います。

北川原先生、お忙しい中ありがとうございました。

受付では毎月一度、保険証の提示をお願いしております。

また、保険証番号・住所・電話番号等が変わった場合にも、随時受付職員までお知らせください。

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